日産セレナ 内装丸洗いコース(リムラボSPコース)

2020年3月5日

情報とマメ知識

こんにちは!リムラボです。

 

今回は日産セレナの車内丸洗いコース(リムラボSPコース)のご依頼です。

車内2列目付近とラゲージ部分に灯油タンクから灯油がこぼれてしまって、車内に臭いがついてしまったとのことで、HPよりご依頼を頂きました。

 

車内クリーニングの中でも匂いトラブルは一番難しい案件です。

 
 

まずは匂いの発生源を突き止めます。

そこをクリアにしなくては何をしても臭いは取れません。

 

まずはラゲージ部分を確認しますが、間違いなく灯油のほとんどがここに溢れているようです。

灯油の色で全体が茶色く変色しています。

 

まずはここを徹底的に攻めます。

ラゲージ部分全体とタイヤハウス内までくまなく手を加えましたが、体感的には70%くらいの除去率でしょうか…

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この時点でラゲージ部分からの臭いはほぼ無くなっています。

あとは脱臭系のケミカルから脱色系のケミカルへ切り替え可能な限りシートの染色を取り除きます。

 

そして臭いの原因はまだ他にある可能性が大です。ファブリック(布)部分に付着するとなかなか取れないため、シートや天井、フロアすべてに臭いが付着しているか確認します。

 

するとシートや天井からかすかに灯油の臭いを感じます。

しかしラゲージ部分の匂いが全体の70%だとすると、天井、シートは約5%くらいの割合です。

フロアを確認すると、怪しい場所が…

 
 

下記はフロアのシートレールの写真ですが、おわかり頂けますでしょうか。

かすかにシートレールに濡れたような跡があります。

フロアシートを剥がし中をさらに確認すると、クッションスポンジがあり、それが灯油で濡れてしまっています。

ラゲージ部分からフレームを通って、セカンドフロアー全体まで灯油が侵食してきていました。床上浸油です…

 

臭い系トラブルの多くはフロア全体まで及んでしまっていることがほとんどです。

車内全体の匂いの原因がわかりましたので、あとは徹底的に脱臭していきます。

車内フロアシートを外していくと、やはり灯油が溢れています(うっすら濡れている部分が灯油)

フロアとマットをまず汚れに強いケミカルで洗浄。白い泡の部分がやや茶色くなっているのがわかりますでしょうか??

これが灯油汚れです。

灯油汚れが0%になるまで徹底的にケミカル洗浄を繰り返します。

 

その後臭いに強いケミカルを用い再度洗浄。

本来車内パーツは水に強くはできていないため、充分に取り扱いに注意しながら進めます。

月に何台も丸洗いを施工しているスタッフだからこそ安全にしっかり作業ができます。

最近の車は助手席下等にもリチウムイオンバッテリーが搭載されています。しっかりとした経験がないまま車内丸洗いをすると車両自体にダメージを与えてしまいます

すべてのフロアマットをケミカル洗浄します。

フロアマットをケミカル洗浄した後は、100℃以上の温水で滅菌洗浄します。

この工程は灯油に限らず、特に北海道の車に非常に効果的です。

冬場濡れたまんまのフロアにはとんでもない数のダニが生息し、ダニの死骸を食べて繁殖し続けます。

暖かい程度の温度ではダニは死滅しません。

湯気がでていますね笑

その後リンサーで水気を切り自然乾燥、脱水します。

ラゲージ部分が70%、フロアが25%、残りの部分で残り5%といったところでしょうか。

残りの天井、シートもまずは弱めのケミカルで洗浄。

幸い微弱な付着でしたのでこの工程で脱臭できました。

必要以上に強いケミカルを用いると素材を痛める原因になります。

原因が弱ければそれにあった力量のケミカルを用いトライします。

 
 

ケミカル脱臭が終わればこちらもマットと同様100℃の高温スチームで滅菌洗浄し仕上げます。

これで目に見える部分の洗浄は完了です。

 

最後に大事な「空間」の臭いも次亜塩素酸で除去します。

 

※次亜塩素酸とは→

 

次亜塩素酸は、除菌力、ウイルス抑制力に優れ、厚生労働省のウイルス抑制マニュアルでも、介護施設や保育所でのウイルス対策として紹介されている除菌成分。プールやほ乳瓶の除菌、水道水の浄化、野菜の洗浄など、幅広い分野で活用されています。

 
 

以上で車内丸洗い滅菌コース完了です。

 
 
 

※下記はラゲージ部分の洗浄一回から抽出した汚れです。

今回は臭いトラブルでとても難しい案件でした。臭いレベルや内容にあわせて施工内容も変わりますが今回は

 

→汚れ用ケミカル洗浄(複数回)+除菌抗菌ケミカル洗浄+脱臭ケミカル洗浄+脱水+リンサー洗浄+天日干し高温スチーム滅菌洗浄(車内全体)+次亜塩素酸洗浄という工程で脱臭クリーン化しました。

 
 
 

脱臭は匂いへの感覚は人それぞれですが、臭いを数値化することで臭いレベルを下げていくようなイメージでしょうか。

人それぞれ感じ方は違いますが原因を突き止め適切な処理をすること。これを怠らなければ臭いは消えていくものかと思います。

 

この時期ならではの案件でした。

 

K様ご依頼ありがとうございました!